遺産分割と相続放棄、知っておきたい全ての違い【徹底解説致します】 | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

　相続は人生の大きな節目であり、きちんと準備をしておく必要があります。遺産分割協議と相続放棄は相続に関する重要な概念ですが、両者には大きな違いがあります。このブログでは、遺産分割協議と相続放棄の違いについて詳しく解説していきます。

遺産分割協議とは

　遺産分割協議とは、相続人同士で被相続人の財産をどのように分配するかを話し合い、合意を形成する手続きのことです。

・遺産分割協議の特徴

遺産分割協議の主な特徴は以下の通りです。

• ◆全ての相続人の合意が必要
• ◆公正証書にすることで法的効力を強化できる
• ◆期限はなく、いつでも行うことができる
• ◆専門家の助言を得ながら進めることが賢明

・遺産分割協議の内容

　遺産分割協議では、被相続人の財産を誰がどのように分配するかを決めます。また、相続分の一部または全部を放棄することも可能です。ただし、借金などの債務は原則として相続してしまうため、注意が必要です。

　遺産分割協議書には、全ての相続人の署名や押印が必要になります。公証役場で公正証書として認証を受けることで、法的な効力をより強固にすることができます。

・遺産分割協議の利点と注意点

　遺産分割協議の利点は、相続人全員で話し合いながら進めることができる点にあります。一方で、全員の合意が必要なため、協議が難航する可能性もあります。また、債権者に対しては効力がないため、借金があれば相続放棄を検討する必要があります。

　このように、遺産分割協議には一長一短があるため、専門家に相談しながら、慎重に対応することが重要です。

相続放棄とは

　相続放棄とは、被相続人の財産や借金を一切引き継がないことを家庭裁判所に申し立て、相続人としての地位を失う手続きのことです。

・相続放棄の手続き

相続放棄をするには、以下の手順を踏む必要があります。

1. 相続の開始があったことを知った時から3か月以内に申述書を作成する
2. 申述書と必要書類を家庭裁判所に提出する
3. 家庭裁判所の審理を経て、相続放棄が認められる

　期限を過ぎると単純承認となり、相続放棄はできなくなります。また、財産に手を付けてしまうと法定単純承認となるため注意が必要です。

・相続放棄のメリットとデメリット

　相続放棄のメリットは、借金などの債務を一切引き継がなくてよい点にあります。一方、デメリットとしては、財産も受け取れなくなる点が挙げられます。

　相続放棄をすると、次の相続順位の人に相続権が移りますが、特定の人に財産を相続させたい場合は、遺産分割協議のほうが適切です。

・相続放棄に適した場合

相続放棄に適した場合は以下の通りです。

• ◆借金がある場合
• ◆他の相続人と連絡を取りたくない場合
• ◆財産の価値が低く、相続する意味がない場合

　相続放棄は、手続きが煩雑なため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

遺産分割協議と相続放棄の違い

遺産分割協議と相続放棄には、以下のような大きな違いがあります。

　このように、両者は法的性質が大きく異なるため、状況に応じて適切な選択をする必要があります。専門家に相談しながら、慎重に検討することが重要です。

まとめ

　遺産分割協議と相続放棄は、相続に関する重要な概念ですが、両者には大きな違いがあります。遺産分割協議は相続人同士の内部的な手続きで、借金などの債務は原則として相続してしまいます。一方、相続放棄は家庭裁判所への法的手続きで、財産と債務の両方を放棄できます。

　相続には様々な選択肢があり、一概に良し悪しを言えるものではありません。被相続人の財産状況や相続人同士の関係性を踏まえ、専門家に相談しながら、最善の方法を選ぶことが重要です。相続は一度きりのイベントであり、その後の人生に大きな影響を与えます。十分に準備をして、冷静に対応することが何より大切です。

よくある質問

Q1.遺産分割協議と相続放棄の違いは何ですか?

A1.遺産分割協議は相続人同士の内部的な手続きであり、借金などの債務は原則として相続してしまいます。一方、相続放棄は家庭裁判所への法的手続きで、財産と債務の両方を放棄できます。両者は法的性質が大きく異なるため、状況に応じて適切な選択をする必要があります。

Q2.相続放棄はどのようなメリットとデメリットがありますか?

A2.相続放棄のメリットは、借金などの債務を一切引き継がなくてよい点にあります。一方、デメリットは財産も受け取れなくなる点が挙げられます。相続放棄をすると、次の相続順位の人に相続権が移りますが、特定の人に財産を相続させたい場合は、遺産分割協議のほうが適切です。

Q3.相続放棄にはどのような手続きが必要ですか?

A3.相続放棄をするには、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に申述書を作成し、家庭裁判所に提出する必要があります。家庭裁判所の審理を経て、相続放棄が認められます。期限を過ぎると単純承認となり、相続放棄はできなくなります。また、財産に手を付けてしまうと法定単純承認となるため注意が必要です。

Q4.相続放棄に適した場合とはどのようなケースですか?

A4.相続放棄に適した場合は、借金がある場合、他の相続人と連絡を取りたくない場合、財産の価値が低く相続する意味がない場合などが考えられます。相続放棄は手続きが煩雑なため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。