相続手続き完全ガイド!大切な遺産を守る7つのポイントを解説致します。

query_builder 2024/07/18
コラム

はじめに

 人生の最期を迎えた時、遺された家族は故人の遺産相続の手続きに直面することになります。相続手続きは複雑で、さまざまな手順を経る必要があります。しかし、適切に対処すれば、円滑に進めることができます。本ブログでは、相続手続きの重要事項について詳しく解説します。

相続手続きの概要

 相続手続きには、死亡に伴う初期対応から相続税の申告、相続財産の名義変更まで、様々な手順が含まれます。これらのプロセスには決められた期限があり、その期限を守ることが重要です。

・初期対応

 亡くなった方の親族は、まず死亡診断書の受け取り、死亡届の提出、火葬・埋葬の許可証の取得といった初期対応を7日以内に行う必要があります。また、年金受給者の場合は10日以内に受給停止の手続きを行います。この時期は、故人への思い出を振り返る時間も必要でしょう。

 介護保険被保険者証の返却や世帯主変更の手続きも14日以内に行わなければなりません。その他、国民健康保険証の返却、葬祭費の申請、金融機関への口座凍結連絡、公共料金の解約や名義変更、生命保険金の請求など、1ヶ月以内に様々な手続きが必要となります。

・遺言の確認と相続人の特定

 初期対応の後は、故人の遺言書の有無を確認します。遺言書がある場合、その種類に応じて家庭裁判所での「検認」手続きや相続人の調査・確認が必要になります。遺言書がない場合は、法定相続人が遺産分割の方法を協議する必要があります。

 相続人の範囲を正確に確定するには、故人の戸籍謄本の収集が重要です。相続人には配偶者や直系の親族が該当し、遠縁の親族まで含まれる場合もあります。

・相続財産の確定

 相続財産には、現預金、有価証券、不動産、動産などのプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も含まれます。相続財産を正確に把握するには、故人の銀行口座や不動産の確認、借入金の有無の調査などが必要不可欠です。

以下は、相続財産に含まれる主なものの一覧です。

  • ◆現金・預貯金
  • ◆有価証券
  • ◆不動産
  • ◆自動車や家財道具など動産
  • ◆生命保険金や退職金
  • ◆借金やローン


重要な期限

 相続手続きには、様々な期限が設けられています。これらの期限を守らないと、大きなデメリットが生じる可能性があります。主な期限は以下の通りです。

・相続放棄/限定承認の申出

 相続の開始を知った日から3ヶ月以内に、相続放棄や限定承認の申出をする必要があります。相続放棄とは、故人の財産を全て手放すことを意味し、限定承認とは、故人の財産の範囲内でしか責任を負わないことを意味します。

 期限までに手続きを行わないと、故人のプラスの財産だけでなくマイナスの財産も承継することになってしまいます。したがって、借金があり相続を断念したい場合は、この期限を守ることが非常に重要です。

・準確定申告と相続税の申告・納付

 相続の開始から4ヶ月以内に、準確定申告を行う必要があります。また、被相続人の死亡から10ヶ月以内に、遺産分割協議と遺産分割協議書の作成、預貯金等の解約・名義変更、相続税の申告と納付を済ませなければなりません。

 相続税の計算では、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を差し引くことができます。例えば相続人が3人の場合、遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税申告は不要です。一方で期限を守らないと延滞税が課せられるなどの不利益が生じるため、注意が必要です。

・その他の期限

 他にも、以下のような期限が定められています。

  • ◆遺留分侵害額請求の期限: 相続開始から1年以内
  • ◆死亡保険金の請求期限: 3年以内
  • ◆相続登記の期限: 3年以内
  • ◆高額療養費の申請期限: 診療を受けた月の翌月から2年以内
  • ◆葬祭費・埋葬料の申請期限: 葬祭を行なった日の翌日から2年以内

専門家に依頼する

 相続手続きは複雑で煩雑なため、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に依頼するのがおすすめです。専門家に依頼すれば、相続に関するさまざまな手続きを任せられ、適切なアドバイスを受けることができます。

弁護士に依頼する場合

 弁護士に依頼すれば、遺言書の有無の確認、相続人の調査、相続財産の調査、相続放棄や限定承認の手続き、所得税の準確定申告、遺産分割協議書の作成、名義変更、相続税の申告・納付など、全ての相続手続きを代行してもらえます。

 相続トラブルが予想される場合や、不動産や会社経営などで相続が複雑な場合は、弁護士に依頼するのが賢明でしょう。弁護士には守秘義務がありますので、プライバシーが守られます。

・税理士に依頼する場合

 税理士に依頼すれば、相続税の計算や申告手続きについて、専門的なアドバイスを受けられます。税理士には税務の知識が豊富にあるため、節税対策のアドバイスなども期待できます。

 遺産総額が大きく相続税の負担が重い場合は、税理士に依頼して節税対策を立てることをおすすめします。また、相続財産に事業資産が含まれる場合も、税理士に相談するのが賢明です。

・信託銀行の活用

 大手の信託銀行では、相続手続きの代行サービスを提供しています。信託銀行に依頼すれば、煩雑な相続手続きを一括して任せることができ、手間が大幅に軽減されます。

 例えば、みずほ信託銀行の「WEB遺産整理業務」では、相続人が5名以内で相続財産が金融資産と自宅のみの場合、インターネット上ですべての手続きを完結できます。詳しい情報はホームページで確認することをおすすめします。

生前の備え

 相続手続きをスムーズに進めるためには、生前からの準備が大切です。遺言書の作成や、相続に関する知識を深めることが重要となります。

・遺言書の作成

 遺言書を作成しておけば、自分の意思に沿った遺産分割が可能になります。遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、公正証書遺言以外は家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。

 遺言の内容次第では、相続人との間で遺産分割をめぐるトラブルが発生する可能性があります。生前に遺言を残しておくことで、遺族の意思に反する分割を防ぐことができます。

・相続に関する知識を深める

 相続に関する知識を深めることも重要です。相続の順位や法定相続分、遺留分制度、節税対策など、様々な知識が必要となります。生前から勉強しておけば、スムーズな手続きが可能になります。

 金融機関や専門家によるセミナーに参加したり、書籍を読んだりするのが、知識を深める良い機会となります。相続は複雑な手続きが多いため、生前から準備しておくことが賢明です。

まとめ

 相続手続きには様々な手順と期限があり、それらを確実に守ることが重要です。手続きの内容は、亡くなった方の遺言書の有無や相続財産の状況によって異なります。手続きを自力で行うのが難しい場合は、専門家に依頼するのがおすすめです。また、生前から遺言書の作成や相続に関する知識を深めておくと、スムーズな手続きが可能になります。

 相続は複雑で大変な手続きですが、適切に対処することで故人の意思を継承し、遺された家族の生活を守ることができます。本記事の内容を参考にしながら、円滑な相続手続きを心がけましょう。

よくある質問

Q1.相続手続きにはどのようなステップがありますか?

A1.相続手続きには、死亡診断書の受け取りや死亡届の提出などの初期対応から、遺言の確認、相続財産の把握、準確定申告、相続税の申告・納付など、様々な手順が含まれます。期限を守り、必要な手続きを漏れなく行うことが重要です。

Q2.相続手続きには期限がありますか?

A2.はい、相続手続きには様々な期限が設けられています。例えば、相続放棄や限定承認の申出は相続の開始を知った日から3ヶ月以内、準確定申告は相続の開始から4ヶ月以内、相続税の申告と納付は被相続人の死亡から10ヶ月以内などの期限があります。これらの期限を守らないと、大きなデメリットが生じる可能性があります。

Q3.相続手続きを専門家に依頼するメリットは何ですか?

A3.相続手続きは非常に複雑で煩雑なため、弁護士や税理士などの専門家に依頼するのがおすすめです。専門家に依頼すれば、遺言書の確認、相続人の調査、相続財産の把握、相続税の申告など、一括して手続きを代行してもらえます。また、節税対策のアドバイスなども期待できます。プライバシーの保護も期待できるため、相続トラブルが予想される場合などは専門家に相談することをおすすめします。

Q4.生前の備えとして何をすると良いですか?

A4.相続手続きをスムーズに進めるためには、生前から準備をしておくことが大切です。具体的には、遺言書の作成や、相続に関する知識を深めることが重要です。遺言書を作成しておけば、自分の意思に沿った遺産分割が可能になります。また、相続の順位や法定相続分、遺留分制度、節税対策など、様々な相続に関する知識を深めておくと、手続きがスムーズに進められます。

NEW

  • 相続のプロに教わる!戸籍・除籍謄本の基礎知識

    query_builder 2024/12/06
  • 相続の切り札!戸籍収集完全ガイド【専門家が徹底解説】

    query_builder 2024/12/05
  • 戸籍収集の極意 - 相続手続きを円滑に進めるための鍵

    query_builder 2024/12/04
  • 相続戸籍入門!除籍謄本の重要性と取得方法を徹底解説

    query_builder 2024/12/03
  • 相続の第一歩!戸籍収集のポイントと注意点

    query_builder 2024/12/02

CATEGORY

ARCHIVE