遺産相続の手続き費用を徹底解説します。専門家に依頼するべきなのか？ | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

　遺産相続は人生の大きな節目の一つです。相続手続きは複雑で、多くの方が戸惑うことでしょう。しかし、適切な知識と準備があれば、スムーズに進めることができます。本ブログでは、遺産相続の手続きにかかる費用について、様々な観点から詳しく解説します。費用の目安、専門家への依頼の有無、遺産の内容による違いなど、様々な角度から見ていきましょう。

遺産相続の手続きにかかる主な費用

　遺産相続の手続きには、様々な費用が発生します。主な費用を大まかにまとめると、以下のようになります。

・戸籍や証明書の取得費用

　遺産相続の手続きには、戸籍謄本や除籍謄本、印鑑登録証明書などの公的証明書が必要となります。これらの取得には、1通につき数百円の手数料がかかります。相続人が多いほど、取得する証明書の種類と数が増えるため、費用も高くなる傾向にあります。

　戸籍や証明書の取得は、最低限の手続きでも必要不可欠です。この基本的な費用は、自分で手続きを行う場合でも、専門家に依頼する場合でも発生するものです。

・相続税と申告費用

　遺産の総額が一定額を超える場合、相続税の申告と納付が必要となります。相続税の金額は、遺産の総額や相続人の人数などによって変わります。また、税理士に相続税の申告を依頼する場合は、別途報酬が発生します。

　税理士への報酬は、一般的に遺産総額の1~2%程度が相場とされています。遺産が大きければ大きいほど、相続税の申告費用も高額になる傾向があります。

・不動産の名義変更費用

　遺産に不動産が含まれる場合、名義変更のための費用がかかります。主な費用は以下の通りです。

• ◆登録免許税
• ◆司法書士への報酬
• ◆必要書類の取得費用

　不動産の評価額が高ければ高いほど、登録免許税の金額も高くなります。また、不動産の件数が増えれば、司法書士への報酬も高額になる傾向があります。

専門家への依頼の有無による費用の違い

　遺産相続の手続きを自分で行うのか、専門家に依頼するのかによっても、費用は大きく変わってきます。

・自分で手続きを行う場合

　遺産相続の手続きを自分で行う場合、主な費用は戸籍や証明書の取得費用のみとなります。これらの実費を除けば、基本的に費用はかかりません。しかし、手続きに不慣れな場合は手間と時間がかかり、ミスのリスクもあります。

　自分で手続きを行うメリットは、費用を最小限に抑えられることです。デメリットは、手続きが複雑で大変であり、ミスを起こす可能性があることです。遺産の内容が単純で、手続きに時間を割ける場合は自分で行うのも一つの選択肢です。

・専門家に依頼する場合

　弁護士、司法書士、税理士などの専門家に遺産相続の手続きを依頼する場合、報酬が発生します。報酬は専門家の種類や遺産の内容によって異なりますが、一般的に以下の程度が目安となります。

• ◆弁護士: 20万円～数百万円
• ◆司法書士: 5万円～50万円
• ◆税理士: 遺産総額に1～2％
• ◆行政書士：5万円～30万円

　専門家に依頼するメリットは、手続きが確実に進められ、トラブルのリスクが低くなることです。デメリットは、報酬が高額になる可能性があることです。遺産の内容が複雑な場合や、自分で手続きを行うのが難しい場合は、専門家に依頼するのがよいでしょう。

遺産の内容による費用の違い

　遺産の内容によっても、手続きにかかる費用は変わってきます。

・不動産が含まれる場合

　遺産に不動産が含まれる場合、前述の通り、不動産の名義変更にかかる費用が発生します。不動産の評価額や件数が多ければ多いほど、費用は高くなります。

　一般的な目安としては、1件の不動産の名義変更費用は7万円~15万円程度とされています。不動産が複数件ある場合は、その分費用が加算されます。

・預貯金や有価証券のみの場合

　遺産が預貯金や有価証券のみの場合、必要な費用は比較的少額で済む傾向にあります。主な費用は以下のようなものです。

• ◆戸籍や証明書の取得費用
• ◆金融機関への手数料

　預貯金や有価証券の名義変更手続きは比較的簡単なため、専門家に依頼しなくても自分で対応できる場合が多いでしょう。ただし、預貯金口座や有価証券の種類が多ければ多いほど、手間と費用もかさむ可能性があります。

・遺産が複雑な場合

　不動産や預貯金、有価証券に加えて、事業や知的財産権、美術品などの複雑な遺産が含まれる場合、手続きと費用も複雑になります。このような場合は、弁護士や税理士など、専門家に依頼することをおすすめします。

　専門家への報酬は遺産の内容によって異なりますが、複雑な案件ほど高額になる傾向があります。ただし、専門家に依頼することで、適切な手続きが確実に行えるというメリットもあります。

まとめ

　遺産相続の手続きにかかる費用は、遺産の内容や専門家への依頼の有無によって大きく変わります。自分で手続きを行えば費用を最小限に抑えられますが、手間と時間がかかります。一方、専門家に依頼すれば確実に手続きが進められますが、報酬が高額になる可能性があります。

　適切な費用を見積もるためには、遺産の内容を把握し、自分で対応できるかどうかを判断することが重要です。遺産が複雑な場合や、自分で手続きを行うのが難しい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。遺産相続は人生の大きな節目であり、手続きを誤ると大きなトラブルにつながる可能性があります。費用面も含めて、しっかりと準備を行いましょう。

よくある質問

Q1.遺産相続にかかる主な費用には何がありますか?

A1.遺産相続の手続きには、戸籍や証明書の取得費用、相続税と申告費用、不動産の名義変更費用などさまざまな費用がかかります。費用の総額は遺産の内容や相続人の数によって大きく変わってきます。

Q2.専門家に依頼するメリットと デメリットは何ですか?

A2.専門家に依頼するメリットは、手続きが確実に進められ、トラブルのリスクが低くなることです。一方で、専門家への報酬が高額になる可能性があるのがデメリットです。遺産の内容が複雑な場合や、自分で手続きを行うのが難しい場合は、専門家に依頼するのがよいでしょう。

Q3.遺産の内容によってどのように費用が変わりますか?

A3.不動産が含まれる場合は、不動産の名義変更に費用がかかります。一方で、預貯金や有価証券のみの場合は比較的少額で済む傾向にあります。遺産が複雑な場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

Q4.費用を最小限に抑えるためには何が大切ですか?

A4.遺産の内容を把握し、自分で対応できるかどうかを判断することが重要です。自分で手続きを行えば費用を最小限に抑えられますが、手間と時間がかかる可能性があります。一方で、専門家に依頼すれば確実に手続きが進められますが、報酬が高額になる可能性があります。