相続放棄の個人手続きに失敗すると大損してしまいます！専門家に任せるべき5つの理由 | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

　相続に関する問題は、人生の節目で避けて通れない重要な課題となります。亡くなった方の財産を適切に承継するには、さまざまな手続きが必要となり、放棄する場合でも例外ではありません。本ブログでは、相続放棄を個人で行う際の具体的な流れやポイントについて解説します。専門家へのアドバイスも参考にしながら、自身に合った対応方法を見つけましょう。

相続放棄の手続きの流れ

　相続放棄を行う際の一般的な手順は以下の通りです。まずは重要なポイントを押さえた上で、具体的な対応を見ていきましょう。

・事前準備

　相続放棄の手続きを円滑に進めるには、事前の準備が欠かせません。まず、被相続人の財産状況を把握し、相続放棄が適切かどうかを検討する必要があります。借金が多額にのぼる場合や、相続にまつわるトラブルを避けたい場合などが、相続放棄の理由として挙げられます。

　財産調査を行った上で相続放棄を決意したら、次は必要書類の収集に取り掛かります。戸籍謄本や住民票除票のほか、申述する者の身分証明書類なども準備しましょう。書類の種類は、申立人と被相続人との関係性によっても異なるため、注意が必要です。

・家庭裁判所への申述

　書類が整ったら、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述を行います。期限に気をつける必要がありますが、不足書類がある場合は追加提出できるケースもあります。

　家庭裁判所への申述方法は、直接窓口で手続きをする場合と、郵送で書類を送付する場合の2パターンがあります。対面で手続きを行えば、書類の不備などに即座に対応できるメリットがあります。一方、郵送であれば遠隔地からでも手続きできるという利点があります。

・照会書への回答

　家庭裁判所に申述を行うと、約2週間後に「相続放棄の照会書」が送られてきます。この書類には、相続財産の有無や内容について照会される質問が記載されています。誠実に回答し、裁判所に返送しましょう。

　この照会書への回答を経て、裁判所による審理が行われます。通常、回答内容に問題がなければ、相続放棄が認められます。認められた場合、「相続放棄申述受理通知書」が送付されてきます。この通知書は、相続放棄が完了したことの証明書となるため、大切に保管しましょう。

個人で手続きを行う際の注意点

　専門家に依頼せずに相続放棄の手続きを行う場合、以下のような点に気をつける必要があります。

・期限に注意する

　相続放棄の申述には、相続開始を知ってから3か月という期限が設けられています。この期限を過ぎると、相続放棄ができなくなる可能性があるため、十分注意しましょう。期限に間に合わない場合でも、正当な理由があれば期限延長の申立てをすることができます。

　期限を守れなかった場合、単純承認が成立してしまい、放棄を認められない恐れがあります。単純承認が成立すると、借金なども含めた被相続人の債務を引き継がなければならず、大きな負担となってしまいます。

・法的知識が必要

　相続放棄の手続きは、法的な知識が必要不可欠です。書類の記入方法や提出先など、手続き上の細かい違いによって結果が左右されます。自身で手続きを行う場合は、慎重に進める必要があります。

法的知識が不足していると、ミスに気づかずに手続きを進めてしまう恐れがあります。そうなると、後々トラブルに発展する可能性も高くなります。できれば、弁護士や司法書士に相談しながら進めることをおすすめします。

・他の選択肢も検討する

　相続放棄以外にも、限定承認という選択肢もあります。限定承認を選べば、借金などのマイナスの財産は承継せずに済みますが、プラスの財産は相続できます。手続きには専門家の関与が必須となりますが、状況によっては検討する価値があるでしょう。

　また、単純承認した場合でも、一定期間内であれば相続放棄ができます。このように、状況に合わせて柔軟に対応できる選択肢も存在するため、慎重に検討することが大切です。

費用について

　相続放棄を個人で手続きする場合の費用は、概ね3,000円から5,000円程度とされています。主な支出は以下の通りです。

• ◇印紙代(通常800円)
• ◇戸籍謄本などの書類取得費用
• ◇裁判所へ郵送する際の郵送料

　これらは最低限の費用になりますが、遠方に戸籍がある場合や、書類の収集に手間がかかる場合は追加の費用が発生する可能性もあります。自身の事情に合わせて、費用負担を見積もっておくことが重要です。

　一方で、弁護士や司法書士に依頼する場合は、さらに費用がかかります。弁護士であれば5万円から10万円程度、司法書士であれば3万円から5万円程度が相場とされています。専門家に依頼するメリットは、手続きがスムーズに進められることです。自身で対応するリスクを考えると、依頼する価値は十分にあるでしょう。

専門家に依頼するメリット

　相続放棄の手続きを個人で行うか、専門家に依頼するかはケースバイケースです。以下のようなメリットがある場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

・複雑なケースへの対応力

　相続人間での確執があったり、財産内容が複雑だったりする場合、専門家に依頼すると有利です。弁護士や司法書士は、過去の経験から適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

　一方で、個人で手続きを行うと、複雑な事案に対処できずにミスを犯してしまう可能性があります。例えばトラブルの際の対応の仕方を誤れば、思わぬ負担が生じかねません。このようなリスクを回避するためにも、専門家に依頼することが賢明な選択肢となります。

・短期間での対応力

　先に述べたように、相続放棄の申述には3か月という期限があります。この短い期間内で書類を集め、申述を行う必要があります。個人で手続きを行うと、期限に間に合わない可能性も高くなります。

　一方、専門家に依頼すれば、長年の経験から効率的に手続きを進められます。あらかじめ必要な書類の種類を把握しているため、短期間での申述も可能なのです。期限に追われることなく、スムーズに進められるのが専門家に依頼するメリットの1つと言えるでしょう。

・プライバシーの保護

　相続問題には、デリケートな家族間の事情が絡むことも多くあります。そういった事情を専門家に打ち明けやすい場合、弁護士や司法書士に依頼すると良いかもしれません。

　専門家は、守秘義務があり、相談内容のプライバシーを守ってくれます。個人で手続きを行う場合、事情を知られたくない相続人がいるなどのデリケートな問題に悩まされてしまう恐れがあります。

まとめ

　相続放棄の手続きは、さまざまな注意点があり、個人で進めるには難しい面もあります。しかし、状況に応じて、個人での対応も検討する価値はあります。

　被相続人の財産状況や、他の相続人との関係性などを踏まえた上で、自身で手続きを進めるか、専門家に依頼するかを判断しましょう。手続きの際の注意点を理解し、慎重に検討することが何より重要です。適切な選択ができれば、スムーズな相続手続きを行えるはずです。

よくある質問

Q1.相続放棄の手続きにはどのような期限がありますか?

A1.相続放棄の申述には、相続開始を知ってから3か月という期限が設けられています。この期限を過ぎると、相続放棄ができなくなる可能性があるため、十分注意が必要です。期限に間に合わない場合でも、正当な理由があれば期限延長の申立てができます。

Q2.個人で相続放棄を行う際の注意点は何ですか?

A2.相続放棄の手続きには法的な知識が必要不可欠です。書類の記入方法や提出先など、手続き上の細かい違いによって結果が左右されるため、慎重に進める必要があります。自身で手続きを行う場合はミスに気づかずに進めてしまう恐れがあり、後々トラブルに発展する可能性も高くなります。できれば、弁護士や司法書士に相談しながら進めることをおすすめします。

Q3.相続放棄を専門家に依頼するメリットはどのようなことがありますか?

A3.相続放棄の手続きを専門家に依頼するメリットとしては、複雑なケースへの対応力、短期間での対応力、プライバシーの保護などが挙げられます。弁護士や司法書士は過去の経験から適切なアドバイスをしてくれ、効率的に手続きを進められるほか、相談内容のプライバシーも守ってくれます。

Q4.相続放棄の費用はどのくらいかかりますか?

A4.個人で相続放棄の手続きを行う場合の費用は、概ね3,000円から5,000円程度とされています。主な支出は印紙代(通常800円)や戸籍謄本などの書類取得費用、裁判所への郵送料などです。一方で、弁護士に依頼する場合は5万円から10万円程度、司法書士に依頼する場合は3万円から5万円程度が相場となっています。専門家に依頼するメリットを考えると、状況に応じて検討する価値があるでしょう。