相続放棄手続きを自分で行うための全ガイド | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

相続放棄は、被相続人の負債等マイナスの財産が膨らんでいる場合に、相続人が相続財産を放棄する制度です。相続放棄をすれば、相続債務の支払い義務から解放されます。しかし、手続きを誤ると思わぬ責任を負う可能性もあるため、注意が必要です。本記事では、相続放棄の手続きを自分で行う方法と注意点を分かりやすく解説します。

相続放棄の意義と効果

相続放棄は、被相続人の借金や債務といったマイナスの財産を相続人が引き継がないための制度です。賢明に活用すれば、不必要な債務から解放されます。

相続放棄のメリット

相続放棄のメリットは主に以下の3点です。

• 被相続人の借金等を相続する必要がなくなる
• 遺産相続に伴う面倒な手続きを回避できる
• 遺産分割協議やトラブルに巻き込まれる心配がない

特に、被相続人の借金が多額にのぼる場合、相続放棄は有効な選択肢となります。プラスの財産よりもマイナスの財産が多ければ、相続放棄を検討する価値があります。

相続放棄のデメリット

一方で、相続放棄にはデメリットもあります。

• 一度放棄すれば、プラスの財産も相続できなくなる
• 手続きを誤ると単純承認となり、債務を承継する可能性がある
• 不動産の名義変更などが必要になり、手続きが面倒になる場合がある

相続放棄は一度しか機会がないため、慎重に検討する必要があります。状況に応じて、専門家に相談するのがおすすめです。

相続放棄の手続き

相続放棄の手続きは、原則として自分で行うことが可能です。しかし、手続きを誤ると大きな不利益を被る恐れがあるため、注意が必要です。

相続放棄の期限

相続放棄の申述は、相続の開始があったことを知った日から3か月以内に行う必要があります。期限を過ぎると単純承認となり、債務を引き継ぐことになるため、期限に注意しましょう。

期限に間に合わない場合は、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てる必要があります。このように、期限管理は相続放棄の際の最重要ポイントです。

必要書類の準備

相続放棄の申述には、以下の書類が必要となります。

必要書類の入手に時間がかかる場合は、早めに準備しましょう。書類に不備があると手続きが受理されない可能性があるため、丁寧に確認する必要があります。

家庭裁判所への申述

準備ができたら、家庭裁判所へ申述に行きます。申述先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。申述には、申述書と必要書類を持参し、収入印紙と切手代を支払う必要があります。

申述後、裁判所から照会書が届くので、期限内に適切に回答することが重要です。回答を怠ると単純承認となり、債務を引き継ぐことになります。

専門家に依頼するケース

相続放棄は、自分で手続きを行うこともできますが、状況によっては専門家に依頼するのが賢明な選択となります。

弁護士に依頼するメリット

• 期限や手続きの指導を受けられる
• 相続財産の全容把握が容易
• 他の相続人とのトラブル回避が期待できる
• 手続きの確実性が高まる

弁護士に依頼すれば、手続きの確実性が高まり、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。依頼料は高額となりますが、手間と時間を省けるメリットがあります。

専門家に依頼すべきケース

以下のようなケースでは、専門家に依頼することをおすすめします。

• 相続財産が複雑な場合(不動産、株式、経営権等)
• 相続人同士が対立関係にある場合
• 手続きに時間的余裕がない場合
• 被相続人の婚姻関係が複雑な場合

自分で手続きを進める際に不安がある場合や、期限に間に合わない恐れがある場合も、専門家に相談するのが賢明です。

相続放棄の注意点

相続放棄の手続きを自分で行う際は、さまざまな注意点があります。手続きを誤ると単純承認となり、思わぬ債務を引き継ぐ可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。

期限に注意する

相続放棄の最も重要な注意点は、期限の厳守です。期限を過ぎると単純承認となり、債務を引き継がざるを得なくなります。期限管理には細心の注意を払いましょう。

期限に間に合わない場合は、早めに家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てる必要があります。

照会書への適切な回答

家庭裁判所から照会書が届いた場合、期限内に適切に回答しなければなりません。回答を怠ると単純承認となり、債務を引き継ぐ恐れがあります。

照会書の内容が分からない場合は、早めに専門家に相談するのがおすすめです。

他の相続人への連絡

相続放棄が受理されたら、他の相続人に連絡することが大切です。相続順位が次の人に移行するため、早めに連絡しておく必要があります。

他の相続人との間で対立が生じている場合は、専門家の関与を検討するとよいでしょう。

まとめ

相続放棄の手続きは原則として自分で行うことができますが、手続きを誤ると大きな不利益を被る恐れがあります。期限の厳守と照会書への適切な回答が最重要ポイントです。状況によっては専門家に依頼する方が賢明な選択となる場合もあります。

相続放棄は一度しか機会がないため、慎重に検討することが重要です。自身の状況を見極め、必要に応じて専門家に相談しながら進めていきましょう。

よくある質問

Q1.相続放棄はどのような制度ですか?

A1.相続放棄は、被相続人の負債等マイナスの財産が膨らんでいる場合に、相続人が相続財産を放棄する制度です。これにより、相続債務の支払い義務から解放されます。ただし、手続きを誤ると思わぬ責任を負う可能性もあるため、注意が必要です。

Q2.相続放棄にはどのようなメリットとデメリットがありますか?

A2.相続放棄のメリットは、被相続人の借金等を相続する必要がなくなること、遺産相続に伴う面倒な手続きを回避できること、遺産分割協議やトラブルに巻き込まれる心配がないことです。一方で、デメリットとしては、一度放棄すればプラスの財産も相続できなくなること、手続きを誤ると単純承認となり債務を承継する可能性があること、不動産の名義変更などが必要となり手続きが面倒になる場合があることが挙げられます。

Q3.相続放棄の手続きはどのように行うのですか?

A3.相続放棄の手続きは、原則として自分で行うことが可能です。必要な書類を準備し、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する必要があります。また、期限内に家庭裁判所からの照会書に適切に回答することも重要です。手続きを誤ると大きな不利益を被る恐れがあるため、注意が必要です。

Q4.専門家に依頼するメリットはありますか?

A4.状況によっては専門家に依頼するのが賢明な選択となります。弁護士に依頼すれば、期限や手続きの指導を受けられ、相続財産の全容把握が容易になり、他の相続人とのトラブル回避が期待できます。また、手続きの確実性が高まります。依頼料は高額となりますが、手間と時間を省けるメリットがあります。