遺産相続のプロが教える！行政書士に依頼する際の費用相場とは？ | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

遺産相続は、受け継ぐ側も手続きを行う側も、非常にデリケートな問題です。相続手続きには様々な専門家が関わり、それぞれの立場や役割に応じた費用が発生します。本記事では、遺産相続の際に行政書士に依頼する場合の費用相場について、詳しく解説していきます。

行政書士の業務範囲と費用

行政書士は、遺言書の作成から遺産分割までの幅広い業務を行うことができます。ここでは、行政書士が担える主な業務と、その費用相場について見ていきましょう。

遺言書作成

遺言書は、亡くなった後の遺産の分け方や扶養料の指定などを記載する重要な書類です。行政書士は、遺言者の意向を正確に反映した遺言書の作成をサポートします。遺言書作成の費用相場は3万円から10万円程度となっています。

遺言者の意向をきちんと汲み取ることが何より大切です。行政書士は、遺言者との丁寧な打ち合わせを経て、適切な遺言書を作成します。遺産の総額が高額な場合や、相続人間で対立がある場合は、費用が高くなる傾向にあります。

相続人調査・財産調査

行政書士は、相続人や相続財産を確実に把握するための調査も行います。相続人調査の費用相場は3万円から5万円程度、財産調査は3万円から7万円程度となっています。

相続人調査では、戸籍や住民票などの公的書類を取り寄せ、法定相続人を特定します。一方の財産調査では、不動産や預金、株式など、あらゆる財産を洗い出します。これらの調査は、後の手続きを円滑に進めるために欠かせない作業です。

遺産分割協議書作成

遺産分割協議書は、相続財産をどのように分けるかを相続人全員で決めた内容を記した重要な書類です。行政書士は、この協議書の作成を3万円から10万円程度で請け負います。

相続人の人数が多かったり、財産が複雑な場合は、協議が難航することも少なくありません。行政書士は、公平な立場から協議の進行を円滑に行い、全員が納得できる分割案を作成します。

他の専門家との違い

遺産相続の手続きには、行政書士のほかにも弁護士や司法書士、税理士といった専門家が関わります。ここでは、それぞれの役割と費用の違いについて見ていきましょう。

弁護士

弁護士は、相続トラブルの解決に強みを持っています。着手金として20万円から30万円の費用がかかり、その後の報酬は事案によって異なります。相続人間の対立が激しい場合は、弁護士に依頼するのが無難でしょう。

一方で、単に遺産分割の手続きを依頼する場合は、弁護士よりも行政書士のほうが費用を抑えられます。弁護士に依頼するメリットは、法的なリスクを最小限に抑えられる点にあります。

司法書士

司法書士は、不動産の名義変更に強みを持っています。不動産の相続登記の報酬は、一般的に5万円から15万円程度となっています。

遺産に不動産が含まれる場合は、司法書士と行政書士の連携プレーが有効です。行政書士が遺産分割協議書を作成し、司法書士が不動産の登記手続きを行うといった具合です。

税理士

相続税の申告は、税理士の専門分野です。税理士の報酬は、遺産総額の0.5%から1%程度が相場となっています。高額な遺産の場合は、税理士への依頼が不可欠です。

行政書士は税務関連の業務を行うことはできませんが、税理士と連携することで、遺産相続の手続きを円滑に進めることができます。

費用を抑える方法

専門家に依頼すると、確実に手続きを進められる一方で、費用がかさむというデメリットもあります。ここでは、費用を抑える方法について見ていきましょう。

自分で手続きを行う

比較的簡単な手続きであれば、自分で行うのも一つの選択肢です。ただし、手続きを誤ると後々トラブルになる可能性があるので注意が必要です。

自分で手続きを行う場合は、行政書士や司法書士に簡単な相談をしながら進めるのがおすすめです。些細な質問にも丁寧に対応してくれるでしょう。

他の相続人に依頼する

相続人の中に、法律や手続きに詳しい人がいれば、その人に手続きを任せるのも費用を抑える一つの方法です。ただし、手続きは複雑なので、できるだけ専門家に依頼したほうが無難です。

法テラスを利用する

法テラスは、国が運営する法的トラブルの相談窓口です。一定の条件を満たせば、行政書士や弁護士への紹介と、費用の立替えを受けられます。

法テラスを利用すれば、通常よりも費用を大幅に抑えられる可能性があります。ただし、条件をクリアできるかどうかがポイントになります。

まとめ

遺産相続の手続きには様々な専門家が関わり、それぞれの役割に応じた費用がかかります。行政書士に依頼すれば、弁護士に比べて安価な費用で手続きを進められるというメリットがあります。

一方で、不動産の登記や相続税の申告については、司法書士や税理士といった他の専門家との連携が必要不可欠です。遺産の内容や相続人の状況に応じて、最適な専門家を選ぶことが大切です。

費用を抑えたい場合は、自分で手続きを行ったり、他の相続人に依頼したりする方法もあります。ただし、手続きを誤るとトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。

遺産相続は、生きている間に関わることのできない問題です。費用面でも精神面でもストレスがかかりがちですが、専門家に適切に相談しながら手続きを進めていけば、スムーズに遺産を受け継ぐことができるはずです。

よくある質問

Q1.遺産相続の際に行政書士に依頼する費用の相場は?

A1.遺言書作成の費用相場は3万円から10万円程度、相続人調査は3万円から5万円程度、財産調査は3万円から7万円程度、遺産分割協議書作成は3万円から10万円程度となっています。相続人の人数や財産の複雑さなどによって費用が変わります。

Q2.行政書士と他の専門家の違いは?

A2.弁護士は相続トラブルの解決に強みがあり、司法書士は不動産の名義変更に強みがあります。税理士は相続税の申告が専門分野です。行政書士は幅広い相続手続きをサポートできますが、これらの専門家と連携して手続きを進めるのが最適です。

Q3.遺産相続の費用を抑える方法は?

A3.自分で手続きを行うこと、他の相続人に依頼すること、法テラスを利用することなどが費用を抑える方法です。ただし、手続きを誤るとトラブルになる可能性があるため、できるだけ専門家に依頼することをおすすめします。

Q4.遺産相続の手続きは複雑だが、専門家に依頼すれば問題ないか?

A4.遺産相続の手続きには様々な専門家が関わり、それぞれの役割に応じた費用がかかります。弁護士に比べて行政書士の方が安価ですが、不動産の登記や相続税の申告には別の専門家との連携が必要不可欠です。遺産の内容や相続人の状況に応じて、最適な専門家を選ぶことが大切です。