相続放棄手続きを自分で行うメリットとデメリットを徹底解説 | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

相続とは、亡くなった人の財産や権利義務が、生存する親族に移転することを指します。相続の手続きは複雑で、適切に対応しないと大きなトラブルに発展する可能性があります。本記事では、相続放棄の手続きを自分で行う場合の手順やメリット・デメリット、注意点などを詳しく解説していきます。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きは、基本的に自分で行うことができます。まずは手続きの全体的な流れを理解しましょう。

ステップ1: 相続財産の調査

相続放棄をするかどうかを判断するには、まず亡くなった方の財産状況を把握する必要があります。現金預金や不動産、株式など、プラスの財産とマイナスの財産(借金など)を洗い出し、総合的に判断します。

財産調査は専門家に依頼するのが確実ですが、自分で行う場合は、銀行や不動産会社、証券会社などに照会する必要があります。関係機関への対応は非常に手間がかかります。

ステップ2: 相続放棄の検討

相続財産の調査結果から、相続放棄をするかどうかを検討します。一般的には、プラスの財産よりもマイナスの財産(借金など)の方が多い場合に相続放棄を選択します。

ただし、単に財産の多寡だけでなく、将来的な見通しや相続人同士の関係性なども総合的に勘案する必要があります。

ステップ3: 必要書類の準備

相続放棄の手続きには、以下の書類が必要になります。

• 相続放棄申述書
• 被相続人の戸籍謄本
• 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
• 住民票除票(被相続人の最終住所地で取得)

これらの書類を自分で準備する必要があり、書類によっては発行に時間がかかるものもあります。必要書類の入手方法や記入例など、詳細を事前に確認しておくことが重要です。

自分で相続放棄手続きを行うメリット

相続放棄の手続きを自分で行うメリットについて見ていきましょう。

費用を抑えられる

専門家に依頼すると、手数料が発生するため費用がかさみます。自分で手続きを行えば、印紙代や郵送費用など数千円程度で済むため、費用を大幅に抑えられます。

ただし、手続きの遅れや不備があると、さらに費用がかかる可能性もあります。手続きに要する時間と労力を考えると、簡単に費用メリットだけを言えるものではありません。

自分のペースで手続きが進められる

専門家に依頼すると、スケジュール調整などで待ち時間が発生することがあります。自分で手続きを行えば、自分の都合に合わせて進められます。

ただし、期限に遅れがちになるなどのデメリットもあるため、手続きを優先させる必要があります。

家族のプライバシーが守れる

自分で手続きを行えば、家族の財産状況などを専門家に開示する必要がありません。家族のプライバシーを守れるというメリットがあります。

一方で、遺産の内容が複雑だと自分で適切に対応できず、プライバシーを開示せざるを得なくなる可能性もあります。

自分で相続放棄手続きを行うデメリット

次に、自分で相続放棄手続きを行うデメリットについて見ていきましょう。

法的知識が不足するリスク

相続放棄の手続きには法的な知識が必要ですが、一般の方には理解が難しい部分が多くあります。知識不足から手続きを誤ると、放棄が無効になるなどの深刻なリスクがあります。

専門家に依頼すれば、法的な部分を任せられるため安心です。自分で手続きする場合は、事前に法的知識を十分に学ぶ必要があります。

手続きの遅れや不備のリスク

相続放棄の手続きには厳しい期限があり、遅れると放棄できなくなります。また、書類の記入ミスなどの不備があると手続きが受理されません。

専門家なら、期限や書類の不備を未然に防ぐことができますが、一般の方には難しい面があります。慎重に進める必要があります。

相続人間でのトラブルリスク

相続人が複数いる場合、遺産分割をめぐってトラブルになることがあります。自分で手続きを進めると、このようなトラブルへの対応が難しくなります。

専門家に依頼すれば、遺産分割のアドバイスを受けられます。自分で手続きを行う場合は、他の相続人との調整が欠かせません。

相続放棄は慎重に検討が必要

相続放棄は、重大な法的手続きです。自分で相続放棄手続きを行うかどうかは、状況に応じて慎重に検討する必要があります。

専門家に相談するケース

以下のようなケースでは、専門家に相談することをおすすめします。

• 遺産の内容が複雑で自分で調査が難しい
• 相続人間で争いがある、またはその可能性がある
• 自分で手続きを行う時間や労力が確保できない
• 法的知識が不足していて自信がない

専門家に依頼すれば、トラブルを未然に防ぐことができ、安心して手続きを進められます。ただし費用がかかるデメリットもあります。

自分で手続きするケース

以下のようなケースでは、自分で相続放棄の手続きを行っても問題ありません。

• 遺産の内容が単純で自分で把握できる
• 相続人全員が相続放棄に同意している
• 費用を抑えたい
• 法的知識を一定程度持っている

ただし、手続きを誤らないよう細心の注意を払う必要があります。不安な点は専門家に確認することをおすすめします。

まとめ

相続放棄の手続きは、法的知識と労力が必要な複雑なものです。自分で行うかどうかは、状況に応じて判断する必要があります。手続きを誤ると重大な影響が出るため、不安な点は専門家に相談することが賢明でしょう。一方で、遺産が単純な場合や費用を抑えたい場合などは、自分で丁寧に手続きを進めることもできます。相続放棄は重大な選択肢なので、しっかりと検討を重ねましょう。

よくある質問

Q1.相続放棄の手続きを自分で行うメリットは何ですか?

A1.相続放棄の手続きを自分で行うメリットは、費用を抑えられること、自分のペースで手続きが進められること、家族のプライバシーが守れることです。ただし、法的知識の不足や手続きの遅れ・不備などのデメリットもあり、状況に応じて慎重に検討する必要があります。

Q2.相続放棄の手続きを自分で行うデメリットは何ですか?

A2.相続放棄の手続きを自分で行うデメリットは、法的知識が不足していることによるリスク、手続きの遅れや不備のリスク、相続人間でのトラブルが生じるリスクなどです。専門家に依頼すれば、これらのリスクを未然に防ぐことができますが、費用がかかるというデメリットもあります。

Q3.いつ専門家に相談するべきですか?

A3.遺産の内容が複雑で自分で調査が難しい場合、相続人間で争いがある(または可能性がある)場合、自分で手続きを行う時間や労力が確保できない場合、法的知識が不足していて自信がない場合などは、専門家に相談することをおすすめします。

Q4.いつ自分で手続きを行えばよいですか?

A4.遺産の内容が単純で自分で把握できる場合、相続人全員が相続放棄に同意している場合、費用を抑えたい場合、法的知識を一定程度持っている場合などは、自分で相続放棄の手続きを行っても問題ありません。ただし、手続きを誤らないよう細心の注意を払う必要があります。