遺産相続の行政書士に依頼する際の費用相場を徹底解説！ | これまで小山市で承った相続に関するご相談の中から主な例を選り抜いて解説しています

はじめに

遺産相続は複雑な手続きが多く、専門家の助言を得ることが不可欠です。中でも行政書士は、比較的安価な費用で相続手続きの一部を代行してくれます。本記事では、行政書士に依頼した際の費用相場について、さまざまな側面から詳しく解説していきます。

行政書士の業務範囲と依頼の際の注意点

行政書士に依頼できる相続業務には一定の範囲があり、それを踏まえた上で依頼する必要があります。

行政書士に依頼できる主な業務

行政書士は以下の業務を行うことができます。

• 遺言書の原案作成や証人就任
• 成年後見人としての就任と相続事務の代行
• 相続人の確認と調査
• 相続財産の調査と遺産目録の作成
• 遺産分割協議書の作成
• 公的書類の取得代行
• 金融機関での口座解約手続き
• 自動車や有価証券の名義変更手続き

これらの業務は行政書士の専門性を生かせる分野ですが、不動産の相続登記や相続税の申告などは行政書士の業務範囲外となります。

依頼の際の注意点

行政書士に相続手続きを依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

1. 依頼する業務の範囲を明確にする
2. 行政書士の実績や信頼性を確認する
3. 報酬の額と支払い方法を事前に確認する
4. 他の専門家との連携体制を確認する
5. 依頼内容を文書で残す

事前の確認を怠ると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。依頼範囲や費用、連携体制など、しっかりと確認しておくことが大切です。

各業務の費用相場

行政書士に依頼できる相続業務ごとの費用相場は以下の通りです。

遺言書関連

遺言書の原案作成や証人就任の費用相場は以下の通りです。

• 遺言書の原案作成: 約5万円
• 遺言書の証人就任: 約2万円

遺言書作成には、遺言者の意思を正確に反映させることが重要です。行政書士の専門性を活用することで、トラブルを未然に防げます。

成年後見人の就任

認知症などで判断能力が不十分な相続人がいる場合、成年後見人に就任し、代理で相続手続きを行うことができます。その費用相場は約3万円からとなっています。

成年後見人の就任には一定の手続きが必要ですが、行政書士に依頼すれば、スムーズに手続きを進められます。

相続人・財産の調査と遺産目録作成

行政書士に依頼できる主な業務として、以下のようなものがあります。

遺産分割の前提として、相続人と財産の把握は欠かせません。行政書士に依頼することで、これらの業務を的確に行えます。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議の際には、遺産分割協議書の作成が必須となります。この業務を行政書士に依頼する場合の費用相場は以下の通りです。

• 単に協議書の作成のみ: 約3万円~4万円
• 相続人調査から協議支援まで: 約15万円~20万円

相続人の人数や遺産の金額、種類によっては、追加の報酬が発生する可能性もあります。遺産分割協議は重要な局面なので、行政書士に適切にサポートしてもらうことをおすすめします。

その他の手続き

行政書士に依頼できるその他の業務と費用相場は以下の通りです。

専門家に依頼することで、煩雑な手続きを効率的に進められ、ミスのリスクも下がります。自身で対応するのが難しい場合は、行政書士に相談するのが賢明です。

他の専門家との連携

行政書士には限界があり、相続手続き全体を一人で完結させることは難しいケースがあります。そのような場合には、他の専門家と連携して対応する必要があります。

司法書士との連携

不動産の相続登記は行政書士の業務範囲外なので、司法書士に依頼する必要があります。司法書士に依頼する場合の費用相場は以下の通りです。

• 登記申請の代行: 約28,000円~約119,000円

司法書士には登記手続きに関する専門性がありますので、行政書士と連携して相続手続きを進めることをおすすめします。

税理士との連携

相続税の申告が必要な場合は、税理士に依頼する必要があります。税理士に依頼する際の費用相場は以下の通りです。

• 遺産総額2,000万円の場合: 約20万円
• 遺産総額5,000万円の場合: 約50万円
• 遺産総額1億円の場合: 約100万円

相続税申告は専門性が高い分野なので、税理士に任せることをおすすめします。行政書士と連携して対応することで、スムーズな手続きが可能となります。

弁護士との連携

相続トラブルが発生した場合や高度な法的対応が必要な場合は、弁護士と連携する必要があります。弁護士の報酬は遺産の金額に応じて変動しますが、一般的な基準は以下の通りです。

• 遺産総額1,000万円未満の場合: 82,500円~165,000円
• 遺産総額1億円の場合: 412,500円~577,500円

法的トラブルに早期から対応することで、大きな損害を回避できる可能性があります。そのため、トラブルの兆候があれば早めに弁護士に相談することをおすすめします。

費用を抑える方法

専門家に依頼すると一定の費用がかかりますが、それでも自力で対応するよりも、トラブル回避やミス防止につながります。ただし、できる限り費用を抑えたい場合は、以下のような方法を検討してみてください。

簡単な手続きは自分で行う

行政書士に依頼する前に、自分で対応できそうな簡単な手続きは自身で行ってみましょう。例えば、

• 戸籍や住民票の取得
• 銀行の残高証明の取得
• 生命保険の請求手続き

などは自力で対応可能です。自分でできる部分は自分で済ませることで、依頼範囲を狭め、費用を節約できます。

他の相続人に一部依頼する

相続人の中に、行政書士の資格を持っている人がいれば、その人に一部業務を依頼するのも良い方法です。例えば、遺産分割協議書の作成や預貯金の名義変更手続きなどを依頼できれば、費用を大幅に抑えられます。

ただし、公平性を保つため、その人への報酬については相続人全員で検討する必要があります。

法テラスを活用する

経済的な理由で弁護士や司法書士に依頼できない場合は、法テラスの利用を検討してみましょう。法テラスでは、一定の条件の下で費用を立て替えてくれるサービスがあります。

法テラスの活用により、弁護士や司法書士の助言を受けながら、比較的低コストで相続手続きを進められる可能性があります。

まとめ

遺産相続の手続きには多くの専門家が関わり、それぞれに適切な依頼が求められます。中でも行政書士は、比較的低コストで相続手続きの一部を代行してくれるため、活用するメリットが大きいでしょう。

ただし、依頼範囲や費用、他の専門家との連携体制など、事前の確認は欠かせません。状況に応じて適切な専門家に依頼することで、トラブルを回避しつつ、スムーズな手続きを進められるはずです。

相続手続きは重要な局面が多く、自身で全て対応するのは難しい場合があります。できる限り費用を抑える工夫をしながらも、遠慮せずに専門家の助言を求めることが賢明な対応と言えるでしょう。

よくある質問

Q1.行政書士に相続手続きを依頼する際の注意点は?

A1.行政書士に相続手続きを依頼する際は、依頼する業務の範囲を明確にすること、行政書士の実績や信頼性を確認すること、報酬の額と支払い方法を事前に確認すること、他の専門家との連携体制を確認すること、依頼内容を文書で残すことが重要です。

Q2.行政書士にはどのような相続関連の業務を依頼できるの?

A2.行政書士に依頼できる主な業務には、遺言書の原案作成、成年後見人の就任、相続人の確認と調査、相続財産の調査と遺産目録の作成、遺産分割協議書の作成、公的書類の取得代行、金融機関での口座解約手続き、自動車や有価証券の名義変更手続きなどがあります。

Q3.相続手続きを専門家に依頼する際の費用はどのくらいか?

A3.行政書士に依頼する場合の費用相場は、遺言書の原案作成が約5万円、成年後見人の就任が約3万円から、相続人や財産の調査が約3万円から7万円、遺産分割協議書の作成が約3万円から20万円などとなっています。他の専門家との連携も必要となる場合は、追加の費用が発生する可能性があります。

Q4.相続手続きの費用を抑える方法はあるか?

A4.相続手続きの費用を抑える方法としては、簡単な手続きは自分で行う、他の相続人に一部の業務を依頼する、法テラスを活用するなどが考えられます。専門家に依頼する場合でも、できる部分は自分で対応することで、依頼範囲を絞り込み、費用を節約できます。